Rie fu
"SUN(星野源cover.English version) / SECRET ISLAND"
とある夜、シンガポール帰りのRie fuに呼ばれて西麻布のカフェに向かった。
青山墓地の周辺をゆっくりと曲がっていくカーブの途中の道で、ギタリストの石崎光と出会った我々は、閑静な西麻布の街並みの中、ひときわ賑やかなお店を発見した。
奥には、インドからやってきたというファミリーが、楽しそうに歓談している。
近年住んでいたシンガポールを離れ、次はロンドンへ移住するというRie fu。
カバー曲とオリジナル曲を織り交ぜた楽曲を披露してくれた彼女の歌声は、周囲の賑わいにかき消されることなく鮮やかに響き渡った。
その歌声には確かに、海外へと飛び出していく音楽家としての胸に秘めた決意が強く現れていた。
"STATIC"
晴れた日曜日、IID世田谷ものづくり学校へと足を運んだ。
スノウドームやお絵かき教室やカフェ。アイデアと驚きに満ちたそれぞれの教室に見惚れながら廊下を進むと、工事現場の絵画が並んだ個展へと辿り着いた。
Rie fuの『工事現場百景展』。絶好の撮影場所である。
軽やかなピアノと歌は果てしなく優しい静けさを奏で、絵画は時を奏でた。かつて学び舎で夢中になって走り回ったあの頃を呼び覚ますように。
Rie fu
シンガーソングライター・油彩画家。日本語と英語がミックスされた歌詞や、カレン・カーペンターに影響を受けた歌声が特徴。幼少期をアメリカで過ごし、現地で賛美歌などに触れた事がきっかけで歌に興味を持ち始める。2004年デビューと同時にロンドンに渡り絵画を学び、現地のミュージシャンとも親交を深める。07年ロンドン芸術大学卒。以後、音楽活動と合わせて定期的に個展を開く等、アートと音楽を繋げる活動を続けている。近年では、ものづくりの過程が垣間みられる工事現場をテーマとした絵画を描く『工事現場フェチ画家』としても制作を続けている。ピアノ・ギターを演奏し、他アーティストとのコラボレーションやCM音楽制作等、活動の幅を広げている。