ペトロールズ
"Renaissance" at 日比谷野外音楽堂
放射状にひろがるこの野外ステージを、いつも通り三角形に陣取った三人(ルネサンス期に隆盛した絵画の多くには、三角構図というものが使われていたらしい)。秋の風が心地よく音を揺らし、石のステージに跳ね返り空へと抜けていくスネアの残響音。開演前のサウンドチェックの時点で、この最高な夜を確信した。日比谷野外音楽堂という特別な場所での演奏に、あくまでも自然体で臨むペトロールズのリハーサルを見て、やはり我々もいつも通り、カメラ一つで撮影に臨むことに決めた。
徐々に熱を帯びていく彼らの表情や、三人それぞれが奏でる繊細かつ大胆な演奏の機微、そして何よりも、音楽の喜びに満ち溢れた、この会場の空気を感じ取って欲しい。
音楽の自由と楽しさ。彼ら三人を撮影する度に、我々はいつもそれを再発見する。この会場にいた人はこの映像を見て、ぜひ思い返して欲しい、また、来られなかった人はぜひ頭のなかでゆっくりと想い描いてほしい。音楽とはこんなにも自由で楽しいということを。
"プロブレムナイト" at ebisu LIQUIDROOM
images by SLEEPERS FILM & art yard.
"Molt!" at SuperDeluxe
"誰"
"よなかのすうがく"
"ASB"
"インサイダー"
お昼を過ぎてメンバーが到着。その日は"GIG録 Vol.1"と称された、録音も兼ねた2回公演。会場が彼らのホーム・下北沢GARAGEであるからか、終始リラックスして楽しそうにサウンドチェックを行う3人。夕方になると外には続々と人が集まり始め、平日の静かな住宅街の中で、一際熱気を帯びはじめていた。
公演終盤で演奏されたインサイダーはライブのハイライトとも言え、曲中の3人のソロの圧巻のプレイは、メンバーの音を感じながら湧き出る感情で奏でているような、それも妖艶でいてソリッドな、見る者すべてを虜にしてしまう。
ワンカットだからこそ感じる生々しさと、
独特の視点での映像は、よりリアルに演奏と人間性を味わえる。
3人の圧倒的なステージングに、11分間があまりにも短く感じ、何度も酔いしれたくなる。
Nagaoka Ryosuke(PETROLZ)"雨"
Nagaoka Ryosuke(PETROLZ)"湖畔"
東京・原宿。休日の人で溢れる表通りから一歩入ると、そこは中世ヨーロッパの雰囲気漂う印象的な街並みが現れた。
ギターを優しく暖かく奏でだす。 その瞬間、この曲のために用意された空間なのかと思うほどに混ざり合い、
心奥深くまで響いてくる声・詩・メロディーに、ただただ溜息がこぼれる。
通りをステージへと変化させながら、行き交う人々の視線、そこに流れる時間、出来事、すべてを巻き込みながら演奏をする光景に、
最後まで目が離せない。
ライブショーならではの醍醐味に、しばし浸る時間が必要だ。
ペトロールズ(PETROLZ)
長岡亮介、三浦淳悟、そして河村俊秀の3人組。クルマ好きの長岡が英国でガソリンを意味するペトロールという言葉をグループ名に冠して2005年に結成。独自のペースで活動を続け、その愛好家は着実に増え続けている。どこにもいない3人組を目指している。